国家試験の出題基準について

薬学
すばすば
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今回は出題基準について説明していきます

平成28年11月22日の薬剤師国家試験出題基準改定部会の薬剤師国家試験出題基準を参考にしていきます

原文を見たい人はpdfが公開されているので、そちらを確認してみてください

はじめに

薬剤師国家試験出題基準は、

「妥当な出題範囲」と「ほぼ一定の問題水準」を保つために策定される基準

4年を目安に見直しを行っている

平成22年9月に策定された出題基準は、平成18年に薬学部が6年になった際、その6年制の一期生の薬学生が受験することを前提に策定されました

平成25年にはコアカリキュラムが改訂(改訂コアカリ)されました

令和2年度に、改訂コアカリで学んだ薬学生が国家試験を受験するため、今回(平成28年)に出題基準の改定の検討が行われました

すばすば
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今年度(令和2年度)から新しい基準になっているということですね

試験科目について

試験科目は、規定により

  • 物理・化学・生物
  • 衛生
  • 薬理
  • 薬剤
  • 病態・薬物治療
  • 法規・制度・倫理
  • 実務

となっています

規則についてしたに参考として記載しておきますね

第八条 薬剤師国家試験(以下「試験」という。)を分けて必須問題試験及び一般問題試験とし、一般問題試験を更に分けて薬学理論問題試験及び薬学実践問題試験とし、その科目は、それぞれ次のとおりとする。必須問題試験物理・化学・生物衛生薬理薬剤病態・薬物治療法規・制度・倫理実務一般問題試験薬学理論問題試験物理・化学・生物衛生薬理薬剤病態・薬物治療法規・制度・倫理薬学実践問題試験物理・化学・生物衛生薬理薬剤病態・薬物治療法規・制度・倫理実務

薬剤師法施行規則第8条

出題項目について

見直しについては、改訂コアカリを基本として、医療や制度の現状を考慮して策定

各科目の出題基準は、現行の出題基準の体系を参考に、必要に応じ項目間の入れ替え等を適切に行う

基準は『大項目』、『中項目』、『小項目』、『小項目の例示』として整理している

必ずしも改訂コアカリの記載準等に対応するものではない

出題項目は、あくまで準拠すべき基準なだけで、出題がすべてこの範囲からというわけではない

すばすば
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各科目の出題項目は量が多かったので、別記事としてまとめるつもりです

ご了承ください

出題の考え方

1.全般的な出題の考え方

薬剤師として備えるべき基本的知識、技能、態度を評価する

高い倫理観、医療人としての教養、医療現場で通用する実践力を確認する

7科目の内容は、相互に関連しているため、重複した問題にならないように配慮する

資格試験としては、過度に難解な問題は避ける

問題の文章構成、条件設定に気を付けて、解答すべき選択肢が一つでない場合には、正解数を明記することを基本とする

分野ごとで問題の難易度が偏らないようにする

可能な限り正しいものを問う問題とする

画像や写真等を利用した出題の問題を検討する

基準等の数値は、覚えておくことが必須、または有用な数値である場合以外は、数値そのものを問う問題はしないこととする

各試験法を問う出題については

  • 保健衛生上の意義が大きい
  • その科目においてよく使用されている
  • 原理的に重要なもの

を出題し、内容は

  • その試験の意義
  • 測定原理
  • 試験または測定実施のために必要とされる基礎知識

とする

専門業務において習得すべき操作等の詳細は出題しないこととする

末梢的な事項や、一部の例外的な事項を取り上げるような問題の出題はなるべく避ける

この部分では、割と重要な考えが書かれているように思います

個人的に重要かなと思ったことは、

選択肢が一つでないときには問題文に記載されること

正しいものを問うものが基本(『誤っているものを選べ』は問題として少ない)

画像や写真を使った問題の出題

数値そのものを暗記することは基本的に不要

専門的な操作が必要な試験は覚える必要がない

あまりに細かいことを聞く問題はほとんどない

ということです

最近の国試は丸暗記するというよりは、基本的知識を使って、考えて解く必要がある問題が多いように思います

これは、実践力を確認すると記載されていることからも意図してやっているのだと思います

結構難しい問題がある気がしますが、一応過度に難しい問題は避けようと思っているようです(ほんとかなあ?)

画像や写真についての問題も出題されるため、過去問でどんな感じで出題されているか確認しておくのが良いと思います

基準の数値をひたすら暗記するのはただの苦行なので最低限だけ覚えればよいのは良いですね。なるべく楽をしましょう

すばすば
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この説明だけではよくわからないと思うので、実際に過去問を解いてみることをおすすめします

2.必須問題における出題の考え方

医療の担い手である薬剤師として特に必要不可欠な基本的資質を確認する

各科目における基礎的な内容を問う

5肢択一形式で問うことを基本とする

正しい選択肢の組み合わせや解答の正誤の組み合わせを問う問題は出さない

必須問題では、基本的な問題が出題されます

5つの選択肢のうち、正しいものをひとつ選ぶ形式で、必須問題はすべてその形式です

すばすば
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目指せ9割!!

3.一般問題(薬学理論問題、薬学実践問題)における出題の考え方

薬剤師が直面する一般的な課題を解・解決するための資質を確認する

薬学理論問題では、各科目における技能・態度を含む薬学の理論に基づいた問題となるようにする

薬学実践問題では、実務において直面する一般的な過怠を解決するための基礎力、実践力、総合力を確認する

実践問題では、症例、事例を挙げるなど、実践に則した問題とする

一般問題は、基本を暗記するだけでなく、考えないと正解がわからない問題がでます

理論問題は、毎年基本的に難しいような気がします

実践問題は、問題をこなしていくと何となくわかる問題が増えていくと思います

すばすば
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理論問題は難しいので、感覚的にできてないなあと思っても、気を落とさないようにしよう!

4.各科目における出題の考え方

4‐1.物理

医薬品を含む化学物質を理解する上で必要な物理化学的・分析化学的な基礎知識と考え方が身についているかどうかを問う

4‐2.化学

『医薬品・生体分子の性質を理解すること』を主題とする

以下を問う問題を中心に出題

  • 有機化合物としての医薬品・生体分子の物性
  • 反応性と分子レベルでの作用機序等に関する基礎の理解
  • 基本的な知識を複数組み合わせた応用力

4‐3.生物

生体の構造、機能、生体成分の代謝等に関する基礎知識を問う

感染症の病原体、免疫の仕組み等に関数r基礎知識を問う

4‐4.生物・物理・化学

小項目ごとに記載された留意事項を考慮して、臨床現場との関連性が高い問題を出題

4‐5.衛生

薬剤師による健康増進・疾病予防、環境衛生の管理を理解する上で必要な以下の基礎知識について出題

  • 衛生化学・公衆衛生学
  • 栄養科学
  • 環境科学
  • 毒性学
  • 環境微生物学
  • 疫学
  • 生態学など

衛生関係の法規として以下の法律については衛生分野で出題する

  • 食品衛生法
  • 食品表示法
  • 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律
  • 予防接種法
  • 健康増進法
  • 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律
  • 有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律
  • 特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律
  • 環境基本法とその他環境保全に関係する法規
  • 学校保健安全法

薬毒物を含む代表的な有害化学物質の体内動態について出題する

 (医薬品の体内動態は『薬剤』で出題)

栄養化学のうち栄養学的内容について出題する

 (構造等の基本的な知識は『物理・化学・生物』で出題)

小項目ごとに記載された留意事項を考慮しながら臨床現場と関連性の高い問題を出題

4‐6.薬理

以下の問題を中心に出題する

  • 薬理作用や作用機序に関する基礎知識(総論)
  • 代表的な治療薬の薬理作用や作用機序(各論)

薬物名は塩等を付けない薬物本体の名前のみを表記することを基本とする

 (臨床適用の際の副作用・相互作用や剤形が問題をなる場合を除く)

4‐7.薬剤

薬物の体内動態と製剤に関する基礎知識を問う

問題数が偏らないように留意する

4‐8.病態・薬物治療

患者の病態生理を理解し、適正で安全な薬物治療法を進めるために必要な知識を問う

以下について出題する

  • 代表的な疾患の病態生理(基本的な臨床検査も含む)
  • 適切な治療薬の選択と使用上の注意
  • 薬物治療に役立つ情報(医薬品情報、患者情報、個別化医療)
  • 臨床研究デザイン
  • 生物統計

(治療薬の薬理作用や作用機序は『薬理』で出題)

4‐9.法規・制度・倫理

以下について問う問題を出題

  • 薬剤師としての業務を行うために必要な法的知識とこれらの関連する各種の制度
  • 医療の担い手としての任務を遂行するために備えるべき倫理規範的知識や態度

法律等に照らして薬剤師の行動党の適正性を問うような問題も出題

法規則の原則や冷害に焦点を当てた問題を出題する場合は、以下の配慮をする

  • 原則を問う問題か例外を問う問題かを明確にすること

    例:場面設定を行うなど

法令、制度の新設や改正内容に関する設問は、当該法令等の改正内容が周知されるまでの間は、原則として出題しない

衛生科目で出題される法規はこの分野で出題しない

4‐10.実務

医療や公衆衛生に携わる薬剤師の業務に関する基礎的または実践的な知識、技能、態度を問う

以下を理解しているかを問う

  • 医薬品を一商品としてではなく、生命と関連性が高いものであることを常に意識すること
  • 医薬品の安全性と有効性の確保のために薬の専門家として業務に関わるべきこと
  • 患者を支援し、副作用の早期発見・発生防止に努めること

患者の希望に沿った医療に貢献できるよう人間関係の必要性を理解し、薬物の適正使用のための情報提供ができるかなどを問う

実践に則した問題抽出、解決能力を確認する観点から、実践の場で取りうる選択肢の中から最も適切なものを選択する問題を出題

他科目すべてと関連するため、重複のないようにする

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とりあえず過去問にチャレンジしてみましょう

適用時期と次回改定について

第106回薬剤師国家試験(令和2年度)から適用

4年を目途に改定

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もしかしたらこの改定は今年度(令和2年度)あるかもしれませんね

まとめ

いかがでしたでしょうか

出題される基準は結構決まっていたりします

おそらくこれを見ただけでは、よくわからんという感じだと思います

過去問を見つつそういうことかと確認してもらえればと思います

(以前から似た感じで出題自体はされています)

なるべく効率的に勉強していきましょう

少しでもお役に立てたら幸いです

それでは!!

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